上海白玉蘭会 代表幹事のご挨拶

· ご挨拶

「上海白玉蘭会」の創設と経緯 

 白玉蘭奨は1989年から上海市政府が上海の発展に貢献した外国人に授与しているものでこれまで多数の日本人が受賞しています。受賞者は経済、文化、科学、医学、福祉、友好人士など多岐の分野にわたります。中でも国別受賞者総数は日本がトップで日本人の上海における貢献の大きさを示しています。「上海白玉蘭会」は上海市人民対外友好協会の支持の下、2014年2月に受賞者有志が立ち上げた日中民間友好交流のプラットフォームです。年に一度上海と東京で交互に、白玉蘭奨日本人受賞者と上海対日関係者が集い旧交を温め様々な交流を行います。これまでの開催実績は下記の通りです。2020年はコロナで中止となりましたが今年はオンラインで開催予定です。

 

「白玉蘭会」の運営について

 この会の管理運営は5名の幹事によるボランティアの活動で行われています。白玉蘭奨は欧米など世界各国の方々が受賞していますが、受賞者の会を立上げ上海と定期的に交流しているのは日本だけです。上海市人民対外友好協会を通じて上海の政府や企業、大学、研究所、文化福祉機関などと交流を積み重ねて 日本との信頼が維持拡大しています。また、一連の活動を通じて上海の青少年が日本に対し関心と親しみを持つようになっていることも実感しています。 

 かつて中国は経済大国の日本から技術と資本を導入することに重きをおいていましたが、大国になった中国は今後も日本との民間友好交流を大切にしていく姿勢が堅持されています。この白玉蘭会の活動に対して上海市政府及び各機関と駐日本中華人民共和国大使館からも一貫して強い支持と高い評価を頂いています。この会に毎年、数名の新規日本人受賞者が加わり、今後は日中新時代の未来志向の民間交流を推進していけると期待しています。

 

上海の日本との深い縁と民間交流の重要性 

 元々上海は日本と歴史的に関係が深く、幕末時代1862年、高杉晋作は幕府使節団として上海訪問、英仏列強支配による租界を視察し慷慨したそうです。上海は今や中国を代表する国際都市で日本との経済文化等の関係は深く、数万人の日本人が居住しています。また上海日本人学校は約2000人の生徒数を擁し規模も大きく教育体制も充実しレベルも極めて高い。上海の街には 西洋と中国の文化が融合した独特のエキゾチックな雰囲気があり、外国人を優しく受け入れてくれます。一方、ビジネスではいわゆる上海を中核としたいわゆる「長江デルタ地域」には約2万社以上の日系企業が進出拠点を持ち活発な 活動をしていますが、その集積の割合は全中国の日系企業の半分以上です。

 歴史を振り返れば1972年9月田中角栄総理が訪中され「日中国交正常化」を果たしました。また1979年12月訪中された大平正芳総理は北京で講演され「日本政府は今後広範な領域で総力を挙げて中国に経済支援とインフラ建設に協力を約束する。技術移転や人材育成にも格段の支援をしてゆく」と述べて「21世紀を迎えても日中間は幾多の荒波に遭遇するだろうが、2000年の友好往来の歴史にたてば、互いの手を取り合って乗り越えることができる」と結ばれました。これが起点となって日中経済文化等の関係が飛躍的に発展してきました。 

 本年2022年9月29日に日中国交正常化50周年を迎えました。日中は今後も幾多の荒波があっても互いの手を取り合って乗り越えられると思います。これからは広範な人々が参加する日中民間交流、草の根交流を通じて信頼関係を深めることが益々重要になります。私たちの上海白玉蘭会の活動がその一助となることを切に願っています。

 

代表幹事   星屋 秀幸

2022年10月1日

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